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太陽光発電に大影響、改正FIT法はどれほど理解されているのか

2017年4月1日から施行された改正FIT法は、今後の太陽光発電の事業運営に対し大きな影響がある。これまでの「設備認定」が「事業認定」へと変更になり、既に発電を開始している発電所であっても事業計画を提出し、新しいルールに […]

2017年4月1日から施行された改正FIT法は、今後の太陽光発電の事業運営に対し大きな影響がある。これまでの「設備認定」が「事業認定」へと変更になり、既に発電を開始している発電所であっても事業計画を提出し、新しいルールに基づいて再度認定を受ける必要がある。さらにその中で運用保守も義務付けられるなど、発電所を適切に維持管理し、安定的に運用することがこれまで以上に重要となった。

 スマートジャパンではこうした改正FIT法や、それに伴う運用保守に対する認知や理解度の調査を目的に、読者調査を実施した。太陽光発電に携わる事業者を対象に2017年4月10~24日にWebアンケートで実施し、471件の回答を得た。

回答者の属性データ

理解度はまずまず

 改正FIT法の理解度に関する質問では「十分理解している」という回答は3.0%、「かなり理解している(理解度:8割程度)」は12.3%、「ある程度理解している(理解度:6割程度)」は23.6%となり、6割以上の理解度を自認する回答者数は全体の約38.9%となった。一方で「制度の内容を聞いたことはある(理解度:2割程度)」と「全く理解していない」という回答の合計も43.7%で、全体の約4割となっている。

「改正FIT法についてどの程度理解していると思われますか」という設問への回答

 また、改正FIT法に対して想起される内容について聞いたところ、最も回答数が多かったのは「事業計画」の策定に関するものだった。次いで運用保守の義務化となっている。既に稼働している発電所も対象とし、新認定制度の移行に必須の事業計画策定については、やはり認知度が高いようだ。

「2017年4月以降の改正FIT法について、想起されるものをいくつでもお選びください」という質問への回答

改正FIT法に対する印象は?

 改正FIT法に関する意見や印象についても調査を行った。「改正FIT法についてどう思いますか」という質問に対し、最も多いのは中立な印象を持っているという回答で、全体の40.1%を占める。一方、「良いイメージ(改善されそう・動機が分かりやすい・再エネ促進につながりそうなど)」を選択した回答者数は全体の14.2%。「良くないイメージ(改善されない・改訂の意図が分からない・理解しづらい)」と回答したユーザーはそれを10ポイント上回る24.2%だった。

 良いイメージと答えたユーザーの個別回答では、「枠取りだけのメガソーラーが多数存在する中で、一度リセットするのは正しい判断と考える」「乱開発への歯止めに期待」「運用保守の重要性が明確になった」など、市場の健全化や安全性向上への貢献を期待する声が多く寄せられた。

 一方で、「良くないイメージ」と答えたユーザーから多く寄せられたのが、「内容が難解」や「事業者側の負担が増えた」といった声だ。改正の内容やガイドラインを正しく理解し、それに沿ったかたちで事業計画策定などのこれまでにない手続きを行う必要があるが、現場の負担は少なくないようだ。

運用保守の理解度は?

 この他、改正FIT法で必須となった発電所の運用保守に関する理解度についても調査を行った。「具体的な太陽光発電のO&M手法についてご存じですか」という質問に対し、「十分理解している」という回答は4.0%、「かなり理解している(理解度:8割程度)」は10.8%、「ある程度理解している(理解度:6割程度)」は16.6%、「まあまあ理解している(理解度:4割程度)」は15.7%となった。

 一方で「意味や概要を聞いたことはある(理解度:2割程度)」、「全く理解していない」と回答したユーザーの割合の合計は53.3%で過半数以上となっている。運用保守については義務化されるという認識は高いものの、具体的な手法やその意義については引き続き認知を広げていく必要がありそうだ。

「具体的な太陽光発電のO&M手法についてご存じですか」という設問への回答
 
 
「電力・エネルギーの専門メディア スマートジャパン」より引用