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2018年度、事業用太陽光発電の買取価格は18円/kWhに

    経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)における2018年度以降の買取価格や、その買取に要した費用を電力の利用者が2018年度に負担する金額(賦課金)などを決定し公表した。 買取価格は調達 […]

 
 

経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)における2018年度以降の買取価格や、その買取に要した費用を電力の利用者が2018年度に負担する金額(賦課金)などを決定し公表した。

買取価格は調達価格等算定委員会の意見を尊重

2018年度以降の新規参入者向け買取価格は、調達価格等算定委員会の「平成30年度以降の調達価格等に関する意見」を尊重し、意見どおりに決定した。

事業用太陽光発電(10kW~2,000kW未満)の2018年度の買取価格は18円/kWhで、2017年度より3円/kWh引き下げた。小形陸上風力発電(20kW未満)は、将来的なコスト削減が見込めないとして、大型の陸上風力発電(20kW以上)と買取区分を統合。2018年度の買取価格は20円/kWhとなり、2017年度の55円/kWhから大幅減となる。小形風力発電の業界団体が、現在の買取価格の期間延長や段階的な買取価格引き下げなど要望していたが、通らなかった。

バイオマス発電については、「一般木材等」と「バイオマス液体燃料」を2018年度から別の買取区分とし、一般木材等(10,000kW以上)とバイオマス液体燃料(全規模)は2018年度から入札制に移行する。2018年度の入札は1回(下期)実施する。なお、一般木材等(10,000kW未満)の2018年度の買取価格は2017年度と変わらず24円/kWhとなった。

標準家庭の賦課金負担額は年9,048円、月754円

今回、決定した買取価格を踏まえて算定した結果、2018年度の賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)単価は、1kWh当たり2.90円となった。1カ月の電力使用量が260kWhの標準家庭で年額9,048円、月額754円の負担となると試算している。

現行の賦課金単価は、1kWh当たり2.64円/kWhで、標準家庭で年額8,232円、月額686円の負担と試算していた。なお、この2018年度の賦課金単価は、2018年5月~2019年4月検針分の電気料金まで適用される。

FIT制度は、再エネ電源で発電された電気を電気事業者が買い取り、その買取に要した費用は、賦課金として、電気代に上乗せして国民が負担する制度だ。この賦課金は、当年度の買取りに要する費用の見込み額などをもとに経済産業大臣が全国一律の単価を定めている。

2018年度における買取費用は、新たに運転開始する再エネ発電設備を見込み、2017年度の想定より約13%増の3兆694億円とした。これから電力会社がこの電気の調達によって、発電・調達をせずにすみ、支出を免れた費用(回避可能費用)を引き、事務費を足した額を、販売量で除した額が賦課金単価となる。